2006.12.22 (Fri)
人間の脳は10%しか使っていない?
12月18日の日経新聞、脳についての記事が掲載されていました。人は昔から「読心術」といった心(頭)を読み取ってしまったり、また、頭が良くなる薬を求めたりと、脳に対する追求を続けてきました。
脳は全体の10%しか使っていない。
昔からよく耳にするこの話。私も小学校のころから聞いていたので、20年以上前からまことしやかに語られていますが、この記事によれば違うようです。残りの90%を活かせば人間はもっとすごいことが・・というのはどうやら真実ではなさそうです。
この10%神話ですが、10%にも色々な解釈があるようです。
1.物理的に10%の部分しか使っていない
水頭症などで、頭の中に穴があいた状態になるにもかかわらず、脳の機能が失われず正常に発達するケースや、脳に矢が刺さった子供の話で正常に脳が機能しているケースをメディアがセンセーショナルに放映し、この10%の神話を正しいかのように伝えているとのこと。「脳は大部分が失われても正常な機能を獲得する」などのような発言を述べることにより、視聴者に、あえて誤解を与えるような報道をしています。
乳幼児のごく限られた期間に、ある機能を獲得すべき部位に障害が起きた場合には、他の部位がその機能の変わりを司る、という事がありますが、成人の脳にはこの種の事例はないらしいです。
2.能力的に10%しか使っていない
こちらは、物理的な部位ではなく、能力・知力として10%程度しか使っていないという説です。なぜ10%かという科学的根拠も明確にはなっていないようですが、私が小さい時にウワサで聞いていた10%神話はこちらのようです。
色々とネットを見ていると、このウワサはアインシュタインが始まりとの記述を見つけましたが、実際はどうなのでしょうか?天才と言われたアインシュタインの脳は現在も保管されており、その重さ等が記録されているとのことですが、私のような凡人と変わらない平均的な重さだとか。アインシュタインが言い出したのではなく、アインシュタインの脳を研究している研究者たちが、重さが変わらない状況等を見て言い出したのではないかと思うのですが、実際どうなのか真実は闇の中です。
ただ、このような神話がなくならないのは、マスコミなどの間違った報道が一因であるとは思うのですが、自分の脳にも一部の望み・可能性を見出したいという人間の欲のあらわれなのかも知れませんね。
さて、話はもどり、昨今は非常に脳ブームだと言われています。書店に行くと、大人の頭脳トレーニングを題した書籍のコーナーが出来上がり、テレビ番組でも脳内エステ・サプリといった番組が視聴率を稼いでいます。また、任天堂DSでブレイクした脳トレ系ソフトに代表されるように、ゲーム業界も様変わりしてきています。
学生のころは勉強がいやでしょうがなかった大人達の間で「脳を鍛える」がブームというのもおかしな話です。もっと頭がよければ、という願望はいつの時代もあるようで、ドラえもんでも「賢くなる道具」があったような気もしますが、「頭の良くなる薬」が現実に広まっているとか。
アメリカでは「リタリン」という薬が「スマートピル(頭が良くなる薬)」として学生の間で広まっているそうです。本来は注意欠陥障害等の治療薬とのことですが、健康な人でも集中力が高まるということで、大学生の2割が服用しているというデータもあるほどです。しかし、やはり薬ですので、副作用も指摘されています。
脳と医学との関わり方を考える「ニューロ・エシックス(Neuroethics)」について議論が戦われています。例えば、心理的ストレスを消すため、記憶消去薬などは倫理的にどうなのか?といったようなことです。人の性格や記憶というのは、人間を人間たらしめている根幹でもあるため、どこで線引きをするのかと言うのは非常に難しいようです。
さらに、科学は発達していて、MRIがもう少し進化してくると、本当に読心術が可能になるとのこと(もう既に実現直前とか)。脳内検査をするだけで、その人の思想や考え方、性格まで簡単にわかってしまう。また、先ほどの脳の記憶や正確をコントロールする薬がさらに発達すると、一定の思想をもった人間を大量に「作り出す」ことも可能になるわけで、SFの世界がSFでなくなる日も遠くなさそうです。
医学をコントロールするのも人間であり、信頼のもとに成り立っていくのだと思いますが、そこをルール化し、適切に運用していくにはまだまだ時間(議論)が必要だと思います。
脳は全体の10%しか使っていない。
昔からよく耳にするこの話。私も小学校のころから聞いていたので、20年以上前からまことしやかに語られていますが、この記事によれば違うようです。残りの90%を活かせば人間はもっとすごいことが・・というのはどうやら真実ではなさそうです。
【More】
脳内には全く使わず隠している部分などなく、精一杯働いているというのが研究者の常識だそうです。こうした脳にまつわる誤解や名神は「神経神話」と呼ばれ、社会的混乱や悪用につながる懸念が指摘されています。この10%神話ですが、10%にも色々な解釈があるようです。
1.物理的に10%の部分しか使っていない
水頭症などで、頭の中に穴があいた状態になるにもかかわらず、脳の機能が失われず正常に発達するケースや、脳に矢が刺さった子供の話で正常に脳が機能しているケースをメディアがセンセーショナルに放映し、この10%の神話を正しいかのように伝えているとのこと。「脳は大部分が失われても正常な機能を獲得する」などのような発言を述べることにより、視聴者に、あえて誤解を与えるような報道をしています。
乳幼児のごく限られた期間に、ある機能を獲得すべき部位に障害が起きた場合には、他の部位がその機能の変わりを司る、という事がありますが、成人の脳にはこの種の事例はないらしいです。
2.能力的に10%しか使っていない
こちらは、物理的な部位ではなく、能力・知力として10%程度しか使っていないという説です。なぜ10%かという科学的根拠も明確にはなっていないようですが、私が小さい時にウワサで聞いていた10%神話はこちらのようです。
色々とネットを見ていると、このウワサはアインシュタインが始まりとの記述を見つけましたが、実際はどうなのでしょうか?天才と言われたアインシュタインの脳は現在も保管されており、その重さ等が記録されているとのことですが、私のような凡人と変わらない平均的な重さだとか。アインシュタインが言い出したのではなく、アインシュタインの脳を研究している研究者たちが、重さが変わらない状況等を見て言い出したのではないかと思うのですが、実際どうなのか真実は闇の中です。
ただ、このような神話がなくならないのは、マスコミなどの間違った報道が一因であるとは思うのですが、自分の脳にも一部の望み・可能性を見出したいという人間の欲のあらわれなのかも知れませんね。
さて、話はもどり、昨今は非常に脳ブームだと言われています。書店に行くと、大人の頭脳トレーニングを題した書籍のコーナーが出来上がり、テレビ番組でも脳内エステ・サプリといった番組が視聴率を稼いでいます。また、任天堂DSでブレイクした脳トレ系ソフトに代表されるように、ゲーム業界も様変わりしてきています。
学生のころは勉強がいやでしょうがなかった大人達の間で「脳を鍛える」がブームというのもおかしな話です。もっと頭がよければ、という願望はいつの時代もあるようで、ドラえもんでも「賢くなる道具」があったような気もしますが、「頭の良くなる薬」が現実に広まっているとか。
アメリカでは「リタリン」という薬が「スマートピル(頭が良くなる薬)」として学生の間で広まっているそうです。本来は注意欠陥障害等の治療薬とのことですが、健康な人でも集中力が高まるということで、大学生の2割が服用しているというデータもあるほどです。しかし、やはり薬ですので、副作用も指摘されています。
脳と医学との関わり方を考える「ニューロ・エシックス(Neuroethics)」について議論が戦われています。例えば、心理的ストレスを消すため、記憶消去薬などは倫理的にどうなのか?といったようなことです。人の性格や記憶というのは、人間を人間たらしめている根幹でもあるため、どこで線引きをするのかと言うのは非常に難しいようです。
さらに、科学は発達していて、MRIがもう少し進化してくると、本当に読心術が可能になるとのこと(もう既に実現直前とか)。脳内検査をするだけで、その人の思想や考え方、性格まで簡単にわかってしまう。また、先ほどの脳の記憶や正確をコントロールする薬がさらに発達すると、一定の思想をもった人間を大量に「作り出す」ことも可能になるわけで、SFの世界がSFでなくなる日も遠くなさそうです。
医学をコントロールするのも人間であり、信頼のもとに成り立っていくのだと思いますが、そこをルール化し、適切に運用していくにはまだまだ時間(議論)が必要だと思います。
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